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軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの観察記録−    >>前の記録へ >>次の記録へ

■2014年3月28日(金曜日)一部、番外編 東京

概況:
軽井沢に春が来た。23日の最低気温は氷点下7.1℃であったが、その後は気温が上がり25日には最高気温16.1℃、28日には17.5℃と暖かい日が続き、あれほど固く積もっていた雪や氷はすっかり溶けてしまった。蝶や蛾がつがいを求めてヒラヒラと舞い、小さな羽虫が弱々しいながらも飛び始めた。ソフィアート・ガーデンの大地からもフキノトウやアサツキが鮮やかな色をのぞかせる。鳥たちは春のさえずり。この後、寒の戻りもあろうが春到来は確かである。

樹木:
今回は3月最後の観察記録である。冬の間はソフィアート・ガーデン100種500本の木を紹介してきたが、春の訪れとともに木も活動を開始したので、木の紹介はひとまず終わりにして、これからはガーデンの実況を観察していく。
木の芽はまだ冬芽の堅いつぼみのままだが、枝先の色が初々しさに染まり始めている。例えば、カエデ類の中でも赤い枝が独特の「珊瑚閣(サンゴカク)」という園芸種がある。ガーデンには2本ほど植えている。この木は赤い枝と木の芽が目立つが、新緑は黄色で、秋の黄葉も黄色である。今は、急速に水を吸い上げているのか、赤い枝と新芽が艶を帯びてみずみずしい色になっている。
ホオノキの冬芽は筆先のような形状であるが、これもまだ固いものの、焦げ茶色から少し緑がかってきた。いずれの木々も、外見は冬と変わらず静かに枯れているかに見えるが、内面はぐんぐんと水を吸い上げて勢いを増し、春の爆発的な新緑の発芽や展開のための力を蓄えている。木のそばに佇んでいると気が満ちている強い感じ(押し広がるような勢い)が伝わってくる。

山野草、山菜、園芸種の草花:
春の訪れとともに、ソフィアート・ガーデンの大地が芽吹き始めた。大地が眠る冬の間はソフィアート・ガーデンの山野草や山菜の紹介をしていったが、ひとまず終わりにして、これからはガーデンの実況を観察していく。
つい先頃まで数十センチもの大雪や氷で覆われていた大地から白いものが消え、腐葉土の大地から鮮やかな緑が芽吹くのは感動的である。寒の戻りもあるだろうし、軽井沢では4月に大雪が降ることもめずらしくないが、いったん動き出した芽の勢いは止まらず、季節を戻すことは出来ない。
まずフキノトウやアサツキが出てきた。冬の間は枯れたようになっていたユキノシタの小さな葉が、生気を取り戻して生き生きとしてきた。スイセンの芽も伸びてきた。日当たりの良い場所では大地の氷が溶けて、以前はカチカチに固まっていたのが、今では、歩くとほくほくと柔らかい感触が足に伝わる。水が地中に吸収されるようになり、雪解け水のぬかるみが徐々に解消されてきた。一方で、まだ日当たりの悪い場所は雪の山が残っており、大地も凍結してコンクリートのように固いままである。
急速に春の芽吹きが大地を覆うようになると、山野草やスミレの芽吹きを妨げないように、早く秋の落ち葉のフトンを片付ける必要がある。この週末はなんとしても、ガーデンの落ち葉かきを大急ぎでしなければならない。季節のあまりに急速な変化に、気持ちと体が追いつかず、内心あせる。

野鳥:
野鳥たちは本格的な春のさえずりモードに切り替わった。キツツキのドラミングが「カタタタタタ・・・」と天高く空に響く。まだフィーダーに皆が遊びに来るが、そのうち同種同士では縄張り争いが始まり、追い出しの追いかけっこが始まるだろう。

虫:
蝶や蛾がつがいを求めて舞う。これらは羽化したばかりなのか、あるいは成虫の状態で冬眠していたのだろうか? 小さな羽虫が弱々しく飛び、小さなクモも地面を歩き回るようになった。

その他:
急速に暖かい日が続き、クマが冬眠からいつ覚めてもおかしくない気候となった。今年は大雪で道がふさがれ、イノシシと人間が出会ってしまうトラブルも多かったようなので、いずれにしても野生動物との接近がないように、森では十分注意したい。
東京に向かう道中の峠道(群馬県横川のあたり)では、梅や菜の花が美しく開花していた。東京(神田)でもサクラが美しく咲き始めていた。 私どもが東京で滞在する際によく利用するホテルニューオータニには美術館があり、ホテルが所蔵する絵画や美術品を初め、さまざまな企画展が催され、毎回観るのを楽しみにしていた。しかし、今回3月23日をもって残念ながら休館となってしまった。最後の企画展は野見山暁治展で、私どもも名残惜しく別れを告げてきた。企画展は「いつかは会える」というタイトルであった。野見山暁治の同タイトルの作品名からとったものであろうが、休館となる美術館からのメッセージとも受け取れるような気がする。美術館の運営が厳しい昨今、閉鎖が相次ぐ中で良質ですばらしい美術館を存続し、すばらしい作品との出会いを与え続けてくれたホテルニューオータニ美術館に深い感謝の気持ちを込めて、いつかまた、会えるのを楽しみにしている。ニューオータニ美術館の企画展を、一年を通して、すべて複数回ずつ鑑賞したスタッフMとしては、この美術館がなくなるのはとても残念である。手入れが行き届いたすばらしい庭園は、どうかいつまでもそのままであり続けてほしい。
景気回復が云々されているが、その結果、芸術を楽しむ人々は増えているのだろうか?私には、こうした良質な文化的な場面や機会は減る一方のように見える。日本の文化の成熟を支える一人として、みなさん、もっと美を楽しみ、遊びましょう!

軽井沢 樹木と野鳥の庭 −100種の樹木と生きもの−
有限会社ソフィアート 長野県軽井沢町長倉 2082-4
文章と写真:スタッフM

ガーデンにフキノトウが出た アサツキも芽を出した ユキノシタの葉
スイセンの芽 珊瑚閣の枝と新芽 ホウノキの冬芽
フィーダー順番待ちのシジュウカラ 蛾も春の目覚め(羽が傷んでいる) 群馬県横川の道沿いの景色
東京神田のサクラが開花 東京のホテルニューオータニロビーにて ニューオータニ美術館休館


 
 
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Sophiart Garden Diary - KARUIZAWA forest garden, wildflower, wild birds and other creatures